感覚統合とは

感覚統合=様々な感覚を整理する脳の働き

感覚といえば、「五感」と呼ばれる視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚がよく知られています。

さらに、「固有覚(手足の動き・曲げ伸ばしなどを感じる感覚)」・「前庭覚(スピードや加速、回転や傾き・姿勢を感じる感覚)」など、一般的には聞き慣れない感覚もあります。

 

人間は、全身の各器官で刺激を感じ、その情報を絶えず脳へ送ります。

その膨大な量の感覚・情報を、適切に整理したりまとめたりする働きこそが「感覚統合」と呼ばれるものです。


感覚統合がうまくできないとどうなる?

感覚統合は、「交通整理」や「信号機」に例えられます。

交通整理や信号機がない道路では、何が起こるでしょう。

 

交差点でもスピードを落とさずに車が走ったり、渋滞が起こったり、時には交通事故も起こるでしょう。大きな混乱が起こることになります。

 

感覚統合がうまくできない脳でも、同じことが言えます。

様々な刺激が次々と飛び込んで集中できなかったり、逆にうまく入ってこなかったりして、場に応じた対応を行うことができなくなります。

 

「教室で先生に何か言われても聞いていない」というのは、聴覚などが過敏で落ち着けないのかもしれません。

「すぐに人を叩く」「あらっぽい」という子は、実はうまく筋肉を動かす感覚が発達していないために、力加減がわからないということもあります。

「まっすぐに座っていられない」というのは、体幹の筋肉ではなく、自分の姿勢がどうなっているのかうまく検知できないためかもしれません。

 

このように、気になる行動が起こる原因に、感覚統合の未発達が隠れている場合があります。

発達障がいとされる子どもの中にも、感覚統合の発達が関係する場合があると言われています。


感覚統合を進めるために

感覚統合の機能を発達させるためには、必要な感覚を適切に受け取れるよう訓練することが必要です。

そのために重要なことは、綿密に練り上げたコースをやらせていくことではありません。

 

本人が「やってみたい」と思うことを行い、その中で成功体験、感覚刺激を重ねること。

十分に刺激体験を重ねると、自然とまた次の段階へと進んでいきます。

この長期に渡る発達の段階を「楽しい」と感じながら、能動的に自ら行えるような環境設定を行うことこそが大切です。


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